青色申告ソフトを選ぼうとして、「やよい・freee・マネーフォワードのどれがいいの?」と迷っている方は多いのではないでしょうか。どれも似たように見えて、実際に使ってみないと違いがわかりにくいのが正直なところです。
私は副業の確定申告からクラウド会計ソフトを使い始め、個人事業主として開業してからも継続して使っています。この記事では、実際に複数のソフトを使ってきた経験をもとに、青色申告ソフトの選び方と主要5ソフトの特徴を比較して紹介します。
「結局どれを選べばいいかわからない」という方に向けて、自分の状況に合ったソフトを迷わず選べるよう整理しました。
青色申告ソフトを使うべき3つの理由

手書きや表計算ソフトでも確定申告はできますが、青色申告ソフトを導入することで会計業務の負担は大きく変わります。実際に使い始めてから毎年の確定申告にかかる時間が体感で半分以下になりました。理由を3つ説明します。
複式簿記の帳簿が自動で作成される
青色申告で最大65万円の特別控除を受けるには、複式簿記での記帳が条件のひとつです。しかし複式簿記は「借方・貸方」という概念が独特で、会計知識のない初心者には大きなハードルになります。
クラウド会計ソフトであれば、銀行口座やクレジットカードの明細を連携するだけでAIが自動仕訳してくれます。自分で勘定科目を判断しなくてもよいため、簿記の知識がなくても正確な帳簿が作れます。副業中の会社員がはじめて確定申告に挑戦するケースでも、ソフトの指示に従うだけで必要な帳簿が揃います。
e-Taxで電子申告まで完結できる
青色申告特別控除の65万円を受けるためには、e-Taxによる電子申告または電子帳簿保存法の要件を満たした保存が必要です(10万円控除のみの場合はこの条件は不要)。主要なクラウド会計ソフトはe-Taxに対応しており、マイナンバーカードとスマートフォンがあれば税務署に出向かずに申告が完了します。
確定申告の時期に税務署に並ぶ手間がなくなるのは、忙しい副業・フリーランス世代にとって実際に大きなメリットです。
インボイス・電子帳簿保存法への対応が自動でされる
2023年のインボイス制度開始、2024年の電子帳簿保存法の電子取引データ保存義務化など、個人事業主を取り巻く税務の制度は変わり続けています。クラウド型ソフトであれば法改正への対応はソフト側が自動でアップデートするため、自分で制度変更を調べて対応する必要がありません。
手書きや表計算ソフトを使っている場合、こうした法改正への対応を自力でしなければならず、見落とすリスクがあります。制度が複雑化しているいまこそ、クラウド型ソフトを使うメリットが大きいです。
青色申告ソフトを選ぶときに見るべき5つのポイント

どのソフトも帳簿作成・確定申告書の作成・e-Tax対応という基本機能は備えています。しかし自分の使い方に合っていないソフトを選ぶと、使いこなせずに放置することになります。失敗しない選び方のポイントを5つ整理しました。
ポイント1. 操作のわかりやすさと入力方式
会計ソフトは毎日使うわけではなく、月に数回・確定申告前に集中して使うという人が多いです。UIがわかりにくいと、翌年使おうとしたときに操作を忘れてしまいます。
入力方式は大きく2タイプに分かれます。freeeのように「質問に答えていくだけ」という形式は会計知識ゼロでも使えます。一方、やよいやマネーフォワードのように従来の帳簿に近い画面構成は、数字を自分で管理したい人や、ある程度の経験がある人に向いています。
自分がどちらのタイプかを考えてから選ぶと失敗が少ないです。
ポイント2. 銀行・カード・サービスの連携対応数
副業や個人事業主の場合、売上や経費が複数の口座・カード・サービスを通じて動きます。連携できる金融機関・サービスが多いほど自動仕訳の範囲が広がり、手入力の手間が減ります。
特にネットビジネスをしている方は、AmazonやクラウドソーシングサービスとのAPI連携に対応しているかどうかが重要な選定基準になります。連携数はソフトによって大きく異なるため、自分がよく使うサービスに対応しているか事前に確認しましょう。
ポイント3. e-Tax対応と65万円控除の要件への完全対応
65万円の青色申告特別控除を受けるためには、e-Taxでの電子申告、または電子帳簿保存法の要件を満たした電子帳簿の保存が条件です。主要なクラウド型ソフトはいずれも対応していますが、スマホアプリから直接e-Taxに申告できるかどうかは製品によって差があります。
PCを持っていない方や、外出先で作業を完結させたい方はスマホ対応の充実度も確認しておきましょう。
ポイント4. サポート体制の充実度
初めての確定申告は、どれだけわかりやすいソフトを使っても戸惑う場面が出てきます。操作方法だけでなく「この取引はどう仕訳すればいいか」という業務上の疑問にも答えてくれるサポートがあると安心です。
サポートの種類はソフトとプランによって大きく異なります。メール・チャットのみのプラン、電話サポート付きのプラン、業務内容の相談まで対応するプランと段階があります。コストとサポートのバランスを見て選びましょう。
ポイント5. 年間料金と無料期間の長さ
クラウド型ソフトの年間費用は1万円〜2万円程度が相場です。各社とも無料期間を設けており、実際に操作感を試してから決められます。弥生は初年度が実質無料(セルフプランの場合)、freeeとマネーフォワードは30日間の無料トライアルを提供しています。
「試してみたら使いにくかった」という事態を避けるためにも、必ず無料期間中に実際に仕訳や確定申告書の作成まで一通り操作してみることをおすすめします。
おすすめの青色申告ソフト5選を比較して紹介

実際に使ってきた経験と最新情報をもとに、副業・個人事業主向けのおすすめソフトを5つ比較して紹介します。
やよいの青色申告 オンライン
クラウド会計ソフト市場でシェアNo.1(MM総研調べ 2025年3月)を誇る弥生のクラウド版です。個人事業主のクラウド会計ユーザーの約2人に1人が利用しているという圧倒的な実績があります。
銀行明細・クレジットカード明細・スマホで撮影したレシートを自動仕訳でき、帳簿作成から確定申告書の作成・e-Tax提出までをクラウド上で完結できます。請求書サービスのMisocaと連携すれば、請求書の発行から仕訳への自動連携も可能です。
インボイス制度・電子帳簿保存法にも対応済みで、適格請求書の仕訳処理も自動で行えます。操作画面はシンプルで、はじめて会計ソフトを使う方でも迷いにくい設計です。
料金(2026年3月現在)
| プラン | 年額(税込) | サポート内容 |
|---|---|---|
| セルフプラン | 初年度無料 → 12,980円/年 | 操作ガイド・ヘルプのみ |
| ベーシックプラン | 初年度半額 → 22,800円/年 | メール・チャット・電話サポート |
| トータルプラン | 初年度半額 → 36,800円/年 | 業務内容の相談まで対応 |
こんな人におすすめ
- はじめての青色申告でサポートを重視したい人
- 税理士への相談も視野に入れている人(弥生対応率が高い)
- まずコストをかけずに1年試してみたい人
弥生シリーズは税理士業界での対応率が非常に高く、「最終的に税理士にチェックしてもらいたい」という場面でも断られにくいという実務的なメリットがあります。個人事業主として長く使い続けることを考えると、安定感があるソフトです。
価格で選ぶならやよいが一番安い!
マネーフォワード クラウド確定申告
クラウド会計ソフト市場シェア2位のサービスです。AIによる自動仕訳の精度が使えば使うほど上がっていく点が特徴で、取引数が多い方ほど恩恵を感じやすいソフトです。
銀行・クレジットカードだけでなく、電子マネー、通販サービス、クラウドソーシングサービスとのデータ連携にも広く対応しており、ネットビジネスや物販をしている方との相性がとくによいです。UIが洗練されており、レポート画面で売上・経費の推移を視覚的に確認できる点も使いやすさのひとつです。
複数のマネーフォワードサービス(クラウド経費・クラウド請求書など)とシームレスに連携できるため、バックオフィス全体をマネーフォワードで統一したい方にも向いています。
料金(2026年3月現在)
| プラン | 年額(税込) | 特徴 |
|---|---|---|
| パーソナルミニ | 10,560円/年 | 連携口座数に上限あり(月10件まで) |
| パーソナル | 15,360円/年 | 連携口座数無制限・請求書発行対応 |
| パーソナルプラス | 35,760円/年 | 電話サポート付き |
※30日間無料トライアルあり
こんな人におすすめ
- ネットビジネス・物販・クラウドソーシングで取引が多い人
- 複数の口座やカードをまとめて管理したい人
- UIの見やすさとデータの可視化を重視する人
副業を始めた当初に最初に使ったのがマネーフォワードでした。Amazon販売の売上データやクレジットカードの経費が自動で取り込まれ、手入力がほとんどなくなったのには驚きました。ただし、口座連携数が多い場合はパーソナルプラン以上でないと制限がかかる点に注意が必要です。
【30日間無料】安くなってコスパUP↑
freee会計
質問に答えるだけで確定申告書が完成するUIが最大の特徴で、会計・簿記の知識がまったくない初心者にとってもっとも直感的に使えるソフトです。
○×形式の質問に答えていくだけで青色・白色申告書を自動作成でき、スマホだけで申告の完結も可能です。スマートフォン専用アプリが充実しており、外出先でのレシート撮影・仕訳から確定申告書の提出まで、すべてスマホで済ませられます。
47都道府県すべてに対応した税理士ネットワークを持っており、確定申告の内容が複雑になったときの相談先も見つけやすいです。
料金(2026年3月現在)
| プラン | 年額(税込) | 特徴 |
|---|---|---|
| スターター | 11,760円/年 | チャット・メールサポート |
| スタンダード | 23,760円/年 | 電話サポート強化 |
| プレミアム | 39,800円/年 | 税務調査サポートあり |
※最大30日間無料トライアルあり
こんな人におすすめ
- 簿記・会計の知識がまったくない初心者
- スマホだけで確定申告を完結させたい人
- UIのわかりやすさを何より優先したい人
一点注意があります。freeeは独自のUI設計を採用しているため、従来の帳簿感覚(借方・貸方での入力)に慣れている方は少し戸惑うことがあります。逆に言えば、先入観のない完全な初心者ほど自然に使えるソフトです。既存の会計知識があって従来型の帳簿に近い操作感を求める場合は、やよいやマネーフォワードの方が馴染みやすいかもしれません。
【30日間無料】会計に自信がなくても使える
ジョブカン青色申告
直感的な入力画面と、節税もれを防ぐ「節税チェッカー」機能が特徴のクラウド型ソフトです。各種控除の入力もれをアラートで知らせてくれるため、確定申告の際に損をしにくい仕組みが内蔵されています。
ガイドに沿って取引を入力するだけで記帳が進み、確定申告書の作成は質問に答えるだけで完了するステップ方式を採用しています。銀行明細・クレジットカード明細の自動取り込みにも対応しており、日々の仕訳作業を効率化できます。
インボイス制度・消費税の複雑な計算にも対応しており、期の途中から適格請求書発行事業者に転向した場合の仕訳処理にも対応しているのは実務的なポイントです。
料金(2026年3月現在)
| プラン | 年額(税込) | 特徴 |
|---|---|---|
| 基本プラン | 13,200円/年 | メール・チャットサポート付き |
※30日間無料トライアルあり
こんな人におすすめ
- 節税に積極的に取り組みたい人
- シンプルな料金体系でわかりやすいソフトを選びたい人
- 御三家(やよい・freee・マネーフォワード)以外も検討したい人
⠀年間13,200円の1プランのみというシンプルな料金体系は選びやすく、機能と価格のバランスも良好です。節税チェッカーは他の主要ソフトにはない独自機能で、控除の見落としを防ぎたい方には魅力的な機能です。
みんなの青色申告(ソリマチ)
創業70年以上の会計事務所を母体とするソリマチが提供する、買い切り型のインストール型ソフトです。累計出荷本数200万本以上の実績があり、お客様満足度No.1(2025年8月 株式会社プラグ調べ)を継続して獲得しています。
クラウド型ではなくPCにインストールして使うため、インターネット接続がない環境でも使えます。初年度は専属スタッフによる電話サポートが最大15ヶ月間無料でついており、操作方法から確定申告の手順まで丁寧にサポートしてもらえます。
AI自動仕訳機能を搭載しており、日々の経費入力を効率化できます。電子帳簿保存法・インボイス制度への対応も完了しています。
料金(2026年3月現在)
| 種別 | 価格(税込) | 備考 |
|---|---|---|
| 通常購入 | 10,780円 | 買い切り、初年度サポート無料付 |
こんな人におすすめ
- 毎年のサブスクリプション費用をかけたくない人
- インターネット環境が不安定な場所で作業する人
- 電話で手厚いサポートを受けたい人
クラウド型と違い、法改正への対応は毎年の更新プログラムを自分で適用する必要があります。また複数のデバイスからの同時利用や、外出先からのスマホアクセスはできません。この点はクラウド型との大きな違いなので、自分の作業スタイルと照らし合わせて選んでください。
タイプ別に選ぶ青色申告ソフトの使い分け方

5つのソフトを紹介しましたが、「それでも迷う」という方のために、状況別のおすすめをまとめます。
副業を始めたばかりで確定申告が初めての方
freeeまたはやよいの青色申告 オンライン(セルフプラン)がおすすめです。freeeは操作の直感性が高く、やよいは初年度無料で試せるコスパの良さが魅力です。どちらも30日間前後の無料期間があるので、両方試してから決めるのも有効です。
ネットビジネス・物販・クラウドソーシングをしている方
マネーフォワード クラウド確定申告がおすすめです。Amazonや各種クラウドソーシングサービスとのデータ連携が充実しており、仕訳の自動化効果が最も高いです。取引数が多いほど手入力の削減効果を実感できます。
個人事業主として長く使い続けることを考えている方
やよいの青色申告 オンラインがおすすめです。シェアNo.1の安定感があり、税理士業界との対応率も高いため、将来的に税理士に相談したい場面でも使いやすいです。事業規模が大きくなっても対応できます。
節税に積極的に取り組みたい方
ジョブカン青色申告の節税チェッカー機能が有効です。各控除の入力もれをアラートで知らせてくれるため、申告後に「もっと節税できたのに」という事態を防げます。
毎月のコストを最小化したい方
みんなの青色申告(買い切り型)が長期コスト面で有利です。または、やよいの初年度無料を活用して1年間使ってみてから、翌年以降のソフト選びを改めて比較するのも賢い選び方です。
よくある質問
青色申告ソフトは無料で使えますか?
やよいの青色申告 オンラインはセルフプランが初年度無料で全機能を使えます。freeeとマネーフォワードはそれぞれ最大30日間の無料トライアルを提供しています。完全無料で継続利用できるソフトとしては「円簿青色申告」などもありますが、サポートや連携機能は有料版と比べると限られます。
副業の確定申告にも青色申告ソフトは使えますか?
使えます。副業で年間20万円以上の所得がある会社員も確定申告が必要で、青色申告を選択すれば最大65万円の特別控除を受けられます。ただし青色申告をするには、開業届と合わせて「青色申告承認申請書」を税務署に事前提出しておく必要があります。
やよい・freee・マネーフォワードはどれが一番安いですか?
年払いの最安プランで比較すると、マネーフォワードのパーソナルミニ(10,560円/年)が最も安い設定です。ただしやよいは初年度無料のため、最初の1年間はやよいが実質最安になります。長期コストで考えると弥生とマネーフォワードが拮抗します。
スマホだけで確定申告まで完結できますか?
freeeとやよいの青色申告 オンラインは、スマホアプリから仕訳入力・申告書作成・e-Tax送信まで対応しています。マネーフォワードもスマホアプリ対応ですが、一部の機能はPC推奨です。スマホ完結を最優先にする場合はfreeeが最も対応が充実しています。
インボイス制度と電子帳簿保存法に対応しているソフトはどれですか?
この記事で紹介したクラウド型ソフト(やよい・マネーフォワード・freee・ジョブカン)はすべて対応済みです。みんなの青色申告(インストール型)も対応しています。クラウド型は今後の制度変更にも自動対応するため、制度が複雑化している現在はクラウド型を選ぶ方が管理の手間がかかりません。
まとめ
青色申告ソフトを選ぶうえで押さえておきたいポイントを3つにまとめます。
1つ目は、クラウド型を選ぶことです。インボイス制度や電子帳簿保存法など、税務の制度は今後も変わり続けます。法改正への対応をソフト側に任せられるクラウド型は、長期的な管理コストを抑えてくれます。
2つ目は、必ず無料で試してから決めることです。やよいの初年度無料、freeeやマネーフォワードの30日間トライアルを活用して、実際の操作感を確かめてから決断するのが失敗しない選び方です。スペックや料金だけで選ぶより、自分の手で動かしてみた感覚の方が正直です。
3つ目は、自分の事業スタイルに合ったソフトを選ぶことです。ネットビジネス・物販が中心ならマネーフォワード、サポートを重視してじっくり使いたいならやよい、操作の直感性を最優先にするならfreeeというのが私の実感です。
どのソフトも基本機能は充実していて、極端に失敗する選択肢はありません。迷いすぎて決めないことが一番のリスクなので、まず無料期間に試してみることをおすすめします。
※本記事の料金情報は2026年3月現在のものです。最新の料金・プランは各社の公式サイトでご確認ください。