Webデザイナーへの転職には何ヶ月かかるのか。
調べるほど「3ヶ月で転職できる」という記事と「1年以上かかった」という声が並び、かえって迷ってしまいます。数字がバラバラに見えるのは、学習と応募と退職の期間がひとまとめに語られているからです。
私はグラフィックデザイナーからWebデザイナーに転職しました。在職中にのんびり進めたので、時間は長めにかかったほうです。
この記事のポイント
- 未経験は学習込みで半年から1年が目安
- 内定から入社までは平均48.5日かかる
- 応募の基準は完成度より伸び代で決める
- 書類が通らない時は作品と書類を直す
- 落ち込んだら担当者や応募先を変える
この記事では期間の目安を3つに分けて示し、長引かせないための準備と、計画を見直すタイミングをまとめます。
目次
Webデザイナーの転職にかかる期間は何ヶ月?

目安は、未経験なら学習を含めて半年から1年、デザイン経験者なら応募から入社まで3ヶ月前後です。差を生むのは学習期間で、ここだけは人によって数ヶ月から1年以上まで大きく開きます。
未経験と経験者で違う期間の目安
同じWebデザイナー転職でも、スタート地点によって必要な期間の中身が変わります。目安を並べると次のとおりです。
| 期間 | 未経験・異業種から | デザイン経験者から |
|---|---|---|
| 学習 | 数ヶ月から1年以上 | ほぼ不要から数ヶ月 |
| 応募から内定 | 1〜2ヶ月 | 1〜2ヶ月 |
| 内定から入社 | 1〜2ヶ月 | 1〜2ヶ月 |
| 合計の目安 | 半年から1年 | 3ヶ月前後 |
応募から入社までの長さは、経験の有無であまり変わりません。転職サービスのdodaは、転職活動全体にかかる期間を一般的に2〜3カ月と案内しています。マイナビの「転職動向調査2026年版」でも、内定から入社までの平均は48.5日でした。
一方で学習期間は幅が広く、統計でもばらつきが出ています。厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」は、Webデザイナーに入職前に必要な訓練期間を調べています。回答は「1ヶ月超〜6ヶ月以下」が17.0%、「6ヶ月超〜1年以下」が13.2%、「1年超〜2年以下」が9.4%と分かれました。「1ヶ月超から1年以下」を合わせると約3割です。回答者は少数なので参考値ですが、学習に数ヶ月から1年ほどを見込む回答がまとまっていることは読み取れます。
経験者でも期間が延びるケース
デザイン経験者なら3ヶ月前後が目安ですが、同じデザイナーでも職種をまたぐ場合は少し事情が違います。
例えばグラフィックデザイナーからWebデザイナーに移る場合、紙の制作物だけではWebの選考で評価しきれないことがあります。Webサイトやバナーなど、応募先の仕事に近い作品を新しく作る時間が必要です。私もグラフィックからWebに移りましたが、書類で落ちた主な原因はスキル不足でした。経験者の方は、今のポートフォリオが応募先の仕事内容と合っているかを先に確かめておくと、見積もりのずれが小さくなります。
数字がバラバラに見える理由
「3ヶ月」と「1年以上」が同じ検索結果に並ぶのは、どの期間を数えているかが違うからです。
3ヶ月という数字は、スクールのカリキュラム期間か、応募から内定までの期間だけを指していることが多くあります。1年以上という声は、学習を始めた日から入社日までを数えています。どちらも嘘ではありません。ただ、自分の計画に当てはめるには、数字の中身を分けて見る必要があります。他人の「3ヶ月で転職できた」という体験談を、学習期間を含めた自分の計画にそのまま当てはめると、予定どおりに進まないと感じて焦りの原因になります。
年齢が気になって期間を調べている方もいるはずです。ただ、期間の見積もりの精度は年齢より、次に紹介する3つの分け方で変わります。
転職期間は3つに分けると正しく見積もれる

転職期間は「学習」「応募から内定」「内定から入社」の3つに分けて考えます。後ろの2つは誰でもほぼ同じ長さになり、人によって大きく変わるのは学習期間だけです。
| 期間 | 目安 | 長さを決めるもの | 自分で縮められるか |
|---|---|---|---|
| 学習 | 数ヶ月から1年以上 | 週の作業時間と、応募の基準をどこに置くか | 縮められる |
| 応募から内定 | 1〜2ヶ月 | 応募数、書類の通過率、面接の日程 | 一部は縮められる |
| 内定から入社 | 1〜2ヶ月 | 今の職場の引き継ぎと退職交渉 | ほぼ縮められない |
この表が示すのは、期間を自分で縮められる余地がほとんど学習にしかないということです。
学習期間は基準しだいで伸び縮みする
学習期間が人によって数ヶ月にも1年以上にもなるのは、終わりの基準が人によって違うからです。
「もう少しうまくなってから応募しよう」と考えると、学習には終わりがなくなります。ツールの操作を覚えた後も、気になる技術は次々に出てきます。基準を決めないまま学習を続けると、期間は自然に延びていきます。
よくあるのが、FigmaやPhotoshopの操作を一通り覚えた後に、アニメーションや3D表現、JavaScriptまで手を広げてしまうケースです。どれも役に立つスキルですが、未経験の採用で最初から求められることは多くありません。学ぶ範囲が広がるほど、作品づくりに着手する日は遠のきます。逆に言えば、どこまでできたら応募に進むかを先に決めておけば、学習期間は見積もれるようになります。
応募から内定までは企業の都合で決まる
応募してから内定が出るまでの長さは、自分の努力よりも企業側の選考の進み方に左右されます。
dodaの案内では、書類の提出と選考に2週間、面接に4〜5週間ほどを見込むのが一般的です。書類選考の結果待ちや面接日程の調整は、こちらで早めることができません。この期間は「待つ時間」として最初から計画に入れておくのが現実的です。
働きながら活動している場合は、面接の日程がさらに延びやすくなります。平日の日中に時間を取れないと、候補日の調整だけで1週間ほど過ぎることもあります。オンライン面接に対応している企業や、夕方以降の面接に応じてくれる企業を選ぶと、この待ち時間を縮められます。
内定から入社までは今の職場で決まる
内定が出た後も、すぐに新しい会社で働き始められるわけではありません。
マイナビの調査では、内定から入社までの期間は「1〜2カ月」が63.8%で最も多くなっています。引き継ぎや退職の申し出にかかる時間は、今の職場の状況しだいです。
退職の申し出をいつまでにするかは、会社の就業規則で決まっていることが多くあります。担当している案件の区切りや、有給休暇の消化を考えると、内定が出てからすぐに辞められるとは限りません。内定の連絡を受けてから慌てないように、就業規則は活動を始める前に一度確認しておきましょう。入社したい時期が決まっているなら、ここから逆算して内定の時期を考える必要があります。
伸び縮みするのは学習期間だけだとわかりました。では、学習をどこで切り上げて応募に進めばいいのでしょうか?
未経験者はどこまでできたら応募していいのか

応募のタイミングは月数ではなく、完了条件で決めます。目指すのは完璧な作品ではなく、伸び代が伝わる作品が揃った状態です。
完璧を待つと学習期間は終わらない
未経験者が応募をためらう一番の理由は「まだ実力が足りない」という不安ではないでしょうか? 私が応募者の作品を見る機会は多くありません。それでも現場で働きながら感じるのは、デザインスキルそのものが高いレベルだと感じる作品に出会うことは少ない、ということです。私の場合は、作り手の伸び代を感じる作品を良いと感じることのほうが多くあります。
job tagでも、Webデザイナーの入職前の実務経験は「特に必要ない」という回答が39.6%で最も多くなっています。完成度が上がるのを待つより、伸び代が伝わる状態で応募に進むほうが、期間は確実に短くなります。
応募していい状態を決める完了条件
完了条件は、自分で判定できる形のチェックリストにしておきます。次の5つが揃ったら応募に進む、と決めておくのがおすすめです。
- バナーとWebページなど、仕事で求められる種類の作品が一通りある
- 作品ごとに、誰に向けて何を考えて作ったかを説明できる
- 人から指摘を受けて直した箇所を、作品ごとに1つ以上語れる
- 簡単なものでも、デザインが実装される流れを理解している
- ポートフォリオを1つのURLで見せられる
この5つは、完成度ではなく「考えて作り、直せる人か」を伝えるための条件です。3つ目の「指摘を受けて直した箇所」は、伸び代を伝える一番わかりやすい材料になります。
作品の数を増やすことに時間を使うより、1つの作品について「最初はこうだったが、こう直した」と語れるほうが評価につながります。直す前と後の画面を並べておくと、面接でも話のきっかけになります。
完了条件を満たしたか確かめる方法
チェックリストを作っても、自分だけで判定すると甘くも厳しくもなりがちです。確かめる方法は次の2つです。
1つ目は、気になる求人を3社ほど選び、必須条件と自分の作品を照らし合わせることです。必須条件に書かれたスキルのうち、作品で証明できるものがどれだけあるかを数えます。半分以上を作品で示せるなら、応募に進んでよい段階です。
2つ目は、自分以外の誰かに作品を見てもらうことです。デザインの仕事をしている知人や、スクールの講師、転職エージェントなど、相手は誰でも構いません。「この作品で何を伝えたいかわかりますか」と聞き、意図が伝わっていれば完了条件の2つ目は満たせています。
どちらの方法も、迷っている時間を判定の時間に変えるためのものです。
ポートフォリオに載せる順番も、判定の材料になります。応募先の仕事に一番近い作品を先頭に置き、その作品で完了条件の2つ目と3つ目を語れるかを確かめてください。先頭の1作品で意図と改善の跡が伝われば、残りの作品は数を絞っても構いません。
応募の基準が決まると、次に迷うのが「今の仕事を続けたまま進めるか」です。
働きながらと辞めてからで変わるスケジュール

基本は働きながら進めるのがおすすめです。辞めて集中するのは、生活費の見通しと「いつまでに決めるか」という期限を、先に決められる場合に限ります。
働きながら進める場合
働きながら進める一番の利点は、収入が途切れないことです。そのぶん、使える時間は限られます。 私は在職中に、平日の帰宅後を使って転職活動を進めました。活動していたのは週2日ほどです。のんびりしたペースだったので、全体の期間は長めにかかりました。働きながらでも転職は十分に成立します。ただ、週に何日動けるかで期間がそのまま変わることは、始める前に知っておいてほしいところです。
働きながら進めるなら、平日と休日で作業の種類を分けると続けやすくなります。帰宅後の短い時間は、求人を読む、書類の文章を直すといった軽い作業に向いています。作品づくりのようにまとまった集中が必要な作業は、休日に回すのがおすすめです。疲れた平日の夜に重い作業を詰め込むと、手が止まる原因になります。
辞めてから進める場合
辞めてから進めると、学習と応募に使える時間は一気に増えます。その代わり、収入が止まった状態で活動を続けることになります。
貯金が減っていく焦りは、判断を鈍らせます。条件に合わない会社でも「早く決めなければ」と応募したくなるからです。退職後の期間が長くなると、面接でその理由を聞かれることもあります。辞めて集中するなら、生活費が何ヶ月分あるかを確かめ、その中で「ここまでに決まらなければ働きながらに切り替える」という期限を決めておきます。
期限は、貯金が尽きる月ではなく、少し手前に置くのがポイントです。ぎりぎりまで粘ると、最後の数ヶ月は焦りから応募先を選べなくなります。アルバイトや派遣で収入を得ながら学習を続ける、という切り替え先も最初に決めておくと、期限が来たときに迷わずに済みます。退職後の期間は、面接で「その間に何をしていたか」を聞かれることもあります。作った作品と学んだ内容を記録しておけば、空白ではなく準備期間として説明できます。
どちらを選ぶかの判断基準
2つの進め方を並べると、違いは時間とお金と気持ちの余裕に集約されます。
| 比べる点 | 働きながら | 辞めてから |
|---|---|---|
| 使える時間 | 平日の夜と休日に限られる | 平日の日中も使える |
| 収入 | 途切れない | 止まる |
| 面接の日程 | 調整に時間がかかりやすい | 合わせやすい |
| 気持ちの余裕 | 焦りにくい | 貯金が減るほど焦りやすい |
| 期間の傾向 | 長くなりやすい | 短くしやすい |
どちらが正解かは人によって違います。次の3つを紙に書き出すと判断しやすくなります。
- 働きながら、週に何時間を確保できるか
- 辞めた場合、貯金で何ヶ月暮らせるか
- 辞めた場合、いつまでに決めるという期限を守れるか
3つ目に自信が持てないなら、働きながら進めるほうが安全です。
働き方が決まれば、週に使える時間がわかります。ここまで来れば、自分の転職期間を逆算する計画が立てられます。
自分の転職期間を逆算して計画を立てる方法

計画は、入社したい時期から逆算して立てます。内定から入社、応募から内定の期間を先に差し引き、残った時間で学習の完了条件を満たせるかを確かめる順番です。
入社したい時期から3つの期間を引く
逆算は、後ろの期間から順に差し引いていくと迷いません。例えば4月に入社したい場合は、次のようになります。
| 順番 | 差し引く期間 | 4月入社の場合 |
|---|---|---|
| 1 | 内定から入社の1〜2ヶ月 | 2月までに内定をもらう |
| 2 | 応募から内定の1〜2ヶ月 | 12月から応募を始める |
| 3 | 残りが学習期間 | 12月までに完了条件を満たす |
内定から入社までの1〜2ヶ月は、マイナビの調査で最も多かった期間をもとにしています。この表に今日の日付を当てはめると、学習に使える月数がはっきりします。足りないとわかったら、入社時期を後ろにずらすか、週の作業時間を増やすかを決めます。
デザイン経験者の場合は、3段目の「学習期間」を「ポートフォリオを更新する期間」に置き換えて考えます。応募先の仕事に近い作品が足りなければ、ここに作品を足す時間を入れます。足りていれば、1〜2週間で書類を整えてすぐ応募に進めます。
逆算で大切なのは、余白を1ヶ月ほど残しておくことです。書類で落ち続けたり、繁忙期で手が止まったりすると、計画は簡単にずれます。最初から余白を入れておけば、ずれても入社時期を動かさずに済みます。
週あたりの作業時間を先に決める
学習期間の長さは、週に何時間使えるかでほぼ決まります。計画の前に、使える時間を数字にしておきます。
週10時間を確保できるなら、3ヶ月でおよそ130時間です。週5時間なら、同じ時間を使うのに半年かかります。私のように週2日ほどのペースだと、期間が延びるのは自然なことです。作業時間を先に決めておくと、「思ったより進まない」という焦りを、計算上の結果として受け止められます。
月ごとに中間チェックポイントを置く
計画を立てたら、学習期間をいくつかに区切り、それぞれに締め切りを置きます。
学習を「基礎を覚える」「作品を作る」「ポートフォリオを公開する」の3つに分けると区切りやすくなります。それぞれの締め切り日が、計画どおりに進んでいるかを確かめる見直しのタイミングになります。
| 区切り | 締め切りまでに終える状態 |
|---|---|
| 基礎を覚える | デザインツールで既存のWebページを模写できる |
| 作品を作る | 完了条件の1つ目と2つ目を満たす作品が揃う |
| ポートフォリオを公開する | 完了条件の5つすべてを満たし、URLで見せられる |
締め切りを過ぎたら、遅れを取り戻す方法を考えるか、入社時期をずらすかをその場で決めます。大切なのは、遅れたことを責めるのではなく、計画のほうを現実に合わせて直すことです。締め切りがあるから遅れに気づける、と考えておくと、見直しが苦になりません。
逆算してみて「思ったより長い」と感じた方もいるはずです。次は、その期間を無理なく縮める方法を見ていきます。
転職期間を無理なく短くするためにできること

期間を縮めるのに効くのは、学習量を増やすことより、ミスマッチの少ない応募先に絞ることと、フィードバックをくれる相手を選ぶことです。
応募先を募集要項で絞り込む
応募から内定までの期間を縮める一番の近道は、受かる見込みのある会社に応募することです。 私は転職活動の途中から、募集要項をよく読み、自分のスキルとのミスマッチが少ない企業を選ぶように変えました。応募数を増やすより、求められている人物像と自分が重なる会社を選ぶほうが、書類で落ちる回数は減らせます。
募集要項で確認したいのは、次の3点です。
- 必須条件に書かれたスキルのうち、作品で証明できるものがいくつあるか
- 仕事内容がバナー中心か、Webサイト制作中心か
- 未経験者の受け入れや研修について書かれているか
この3点を見るだけでも、明らかに合わない応募を減らせます。特に3つ目は大切で、未経験可と書かれていても、研修や先輩の指導について何も触れていない求人は即戦力を期待している場合があります。仕事内容の説明が具体的な求人ほど、入社後の姿も想像しやすくなります。
フィードバックをくれる相手を選ぶ
一人で作品を見直していると、どこを直せばいいのかわからないまま時間が過ぎていきます。
転職エージェントや知人に作品を見てもらうと、自分では気づけない改善点がわかります。ただ、相手によってフィードバックの量には差があります。私が使ったエージェントの中にも、フィードバックがほとんどないところがありました。合わないと感じたら、別のサービスや担当者に切り替えて構いません。
フィードバックを頼むときは、聞き方を具体的にすると返ってくる答えも具体的になります。「どうですか」と聞くだけでは、感想しか返ってきません。「この作品で一番伝わりにくいところはどこですか」「この求人に応募するなら、どの作品を外しますか」と聞くと、次に直す場所がはっきりします。
学習と応募準備を重ねて進める
もう1つ効くのが、学習と応募準備を順番ではなく重ねて進めることです。
学習が全部終わってから書類を書き始めると、そこからさらに数週間かかります。作品づくりと並行して、職務経歴書の下書きや気になる求人のリストづくりを始めておくと、完了条件が揃った日にすぐ応募できます。求人を読みながら学習すると、必須条件に書かれていないスキルに時間を使いすぎることも防げます。
学ぶ範囲を求人に合わせて絞ることも、期間を縮める打ち手です。
- 応募したい求人の必須条件に出てくるツールを優先する
- 歓迎条件のスキルは、内定後や入社後に回してよいと割り切る
- 作品は応募先の仕事内容に近いものから作る
範囲を絞るのは手抜きではなく、限られた時間を採用に直結するところへ集中させる判断です。
エージェントの選び方は、Webデザイナーの転職エージェントを経験年数と目的で選ぶ方法で比較しています。
ここまでの打ち手を尽くしても、転職活動が止まってしまうことはあります。
転職活動が長引く原因と計画を見直すタイミング

転職活動が長引くのは珍しいことではありません。大切なのは、書類で落ちているのか面接で落ちているのかを見分け、止まった段階ごとに直す場所を変えることです。
書類で落ちるのは珍しくない
不採用が続くと「自分には向いていないのでは」と考えがちですが、多くの人が同じ道を通っています。
dodaの集計では、エージェント経由で内定を得た人は平均31.9社に応募していました。Webデザイナーは特に競争が激しい職種です。ハローワークのWebデザイナー求人では有効求人倍率が0.11倍で、1件の求人に多くの求職者が集まっています。私の場合は、約20社に応募して書類選考を通ったのは約5社でした。4社に1社しか通らない計算です。デザイン経験があってもこの割合なので、未経験の方が書類で落ち続けても、それだけで諦める必要はありません。
段階別に直す場所を決める
長引いている時は、どの段階で止まっているかによって、直すべき場所がまったく違います。
| 止まっている段階 | 考えられる原因 | 直す場所 |
|---|---|---|
| 書類で落ちる | 作品の水準、書類が求める人物像とずれている | ポートフォリオと職務経歴書 |
| 面接で落ちる | 経験の伝え方、志望動機の具体性 | 話す内容の整理 |
| 応募したい会社がない | 条件の絞り方が合っていない | 募集要項の読み方 |
見直しのタイミングは、あらかじめ数字で決めておくと迷いません。例えば「書類で5社続けて落ちたら書類を直す」と決めておけば、落ち込む前に手を動かせます。
面接で落ちる場合は、作品の水準はある程度届いていると考えられます。面接で聞かれやすいのは「なぜWebデザイナーなのか」「前職の経験をどう活かすか」の2つです。未経験の方ほど、作品の説明と志望理由がつながっているかを見直してみてください。応募したい会社が見つからない場合は、条件を一度書き出し、譲れない条件を1つか2つに絞り直すと選択肢が広がります。
結果を記録しておくことも、見直しの精度を上げます。応募日、書類の結果、面接の結果、落ちた理由の推測を一覧にしておくと、どの段階で止まっているかが数字で見えるようになります。
私が書類を作り直したときの変化
書類で落ち続けた時に私が直したのは、作品そのものより書類の載せ方でした。 私が書類で落ちていた原因は、スキル不足だと判断しました。当時の書類は、それまでの経歴を漠然と並べただけのものでした。
そこで、応募先の企業がどんな人を求めているかを想像し、その会社に必要な情報だけをまとめて載せる形に作り直しました。あわせて、募集要項とのミスマッチが少ない企業を選ぶようにしました。最終的に内定は2社からもらえました。
書類は「自分が伝えたいこと」からではなく、「相手が知りたいこと」から組み立てると、載せる内容を絞りやすくなります。経歴が長い人ほど、すべてを並べたくなるものです。応募先の募集要項に書かれた言葉を手がかりに、その会社に関係する経験から順に書いてみてください。
志望動機も同じ考え方で組み立てられます。「なぜWebデザイナーなのか」「なぜこの会社なのか」「入社後に何で貢献できるか」の3つを、それぞれ自分の経験と結びつけて1〜2文で書きます。前職がデザインと関係ない仕事でも、顧客の要望を聞いて形にした経験や、資料を見やすく整えた経験は、デザインの仕事につながる材料になります。
直す場所がわかっても、気持ちが追いつかない時期は必ず来ます。最後に、その時期を乗り越える方法を紹介します。
予定どおり進まないときに気持ちを保つ仕組み

気持ちはやる気だけで保つものではありません。週単位の小さな完了条件で進んでいる実感をつくり、落ち込んだときは担当者や応募先といった環境を入れ替えることで立て直せます。
気持ちが落ちやすい2つの場面
転職活動のモチベーションは、ある日突然ではなく、決まった場面で落ちやすくなります。 私の場合、落ち込んだのは2つの場面でした。1つは活動が長くなり、本業の繁忙期と重なった時期です。デザインの仕事は時期によって忙しさの波が大きく、転職活動への気持ちが続かなくなりました。もう1つは不採用が続いた時期で、このときはかなり凹みました。
どちらも、本人の努力不足ではなく状況によって起きるものです。落ちやすい場面を先に知っておくだけでも、落ち込んだ自分を責めずに済みます。
特に繁忙期は、毎年おおよそ同じ時期にやってきます。今の仕事が忙しくなる月がわかっているなら、逆算した計画の中でその月の作業量を最初から減らしておきましょう。忙しい時期に止まるのは計画どおり、と考えられれば、気持ちが折れる前に手を打てます。
週単位の小さな完了条件で進む
気持ちが落ちている時ほど、大きな目標を見ると手が止まります。
「今週はバナーを1点仕上げる」「今週は2社の募集要項を読む」のように、1週間で終わる小さな完了条件を置きます。達成したら記録に残します。記録はノートでもスプレッドシートでも構いません。大切なのは、週の終わりに「今週はここまで進んだ」と自分で確かめられることです。記録が積み上がると、内定がまだでも前に進んでいる実感が持てます。繁忙期で動けない週は、完了条件を「募集要項を1社読む」まで小さくしても構いません。止めないことのほうが大切です。小さくても続けている限り、計画は前に進んでいます。
環境を変えると気分も変わる
落ち込んだとき、自分の内側だけで気持ちを立て直そうとしていませんか? かえって苦しくなることがあります。 私が活動を続けられたきっかけは、転職エージェントの担当者が交代したことでした。活動が長期化したため担当が替わり、それで気分が変わって前を向けました。業界に詳しい担当者には最後まで当たりませんでした。それでも、人として応援してくれる担当者だったことが大きかったと思います。人生経験の豊かな方で、安心して相談しながら進められました。
エージェントの担当者は、業界知識の多さだけで選ぶものではないと私は考えています。不採用が続いて凹んでいる時に、話を聞いて背中を押してくれる人がいるかどうかで、続けられるかが変わるからです。担当者と合わないと感じたら、交代をお願いしても失礼にはあたりません。
担当者や応募先、作業する場所を変えるだけで、同じ活動でも感じ方は変わります。行き詰まった時は、自分を奮い立たせるより先に、環境を1つ入れ替えてみてください。
よくある質問
未経験から最短何ヶ月でWebデザイナーになれますか?
学習の完了条件をどれだけ早く満たせるかで決まります。応募から内定、内定から入社にはそれぞれ1〜2ヶ月ほどかかります。そのため学習が早く終わっても、応募を始めてから入社までは最低でも数ヶ月を見込んでおくのが現実的です。
Webデザイナーの転職で応募は何社くらい必要ですか?
決まった数はありませんが、dodaの集計ではエージェント経由で内定を得た人の平均応募数は31.9社でした。書類選考で落ちることを前提に、ある程度の数に応募する計画を立てておくと、不採用が続いても焦らずに済みます。
20代後半や30代からでも期間内に転職できますか?
年齢よりも、作品で伸び代を示せるかのほうが選考では重視されます。年齢が上がるほど、前職の経験をデザインにどう活かせるかを伝える準備が大切になります。入社したい時期から逆算し、学習に使える期間を先に確かめておくと安心です。
Webデザイナーの転職活動を始めるのに良い時期はありますか?
求人の多い時期を待つより、自分の完了条件が揃った時点で始めるほうが期間は短くなります。入社したい時期が決まっている場合は、内定から入社までの1〜2ヶ月と、応募から内定までの1〜2ヶ月を差し引いて、応募を始める月を決めてください。
働きながらだと面接の時間はどう作ればいいですか?
オンライン面接や、夕方以降の面接に対応している企業を選ぶと調整しやすくなります。それでも難しい場合は、面接の日だけ有給休暇や半休を使う方法があります。応募の段階で日程の希望を伝えておくと、企業側も候補日を出しやすくなります。
スクールに通えば転職までの期間は短くなりますか?
カリキュラムと締め切りがあるぶん、学習の基準が決まりやすく、期間は読みやすくなります。ただし、スクールを修了しただけで応募の完了条件を満たせるとは限りません。作品について説明できるか、指摘を受けて直した経験があるかを、自分でも確かめておきましょう。
まとめ
Webデザイナー転職の期間は、未経験なら学習込みで半年から1年、経験者なら3ヶ月前後が目安です。ただ、この数字は月数で決まるものではありません。「応募できる水準に届くまで」で決まります。
期間を3つに分けると、自分で縮められるのは学習だけだとわかります。だからこそ、応募に進む完了条件と、計画を見直すタイミングを先に決めておくことが大切です。落ち込んだ時は、自分を責めるより環境を1つ入れ替えてみてください。まずは入社したい月から逆算して、今週やる小さな完了条件を1つ決めるところから始めてみましょう。