公開日:2019/03/21
最終更新日: 2021/12/24

Amazon(FBA)の手数料について総まとめ

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AmazonではAmazonマーケットプレイスという場で個人から法人までが商品ページに出品し販売することができます。

商品ページは基本的に1商品につき1ページのみで、複数の販売者(個人でも法人)でも同じページを使い販売していきくことになります。

Amazonの利用にあたっては様々な手数料が発生しますが、大きく分類すると以下のような3つの費用になります。

  • 出品プランに合わせた費用
  • 商品販売価格に対してかかる「販売手数料」
  • FBA(フルフィルメント by Amazon)を使った場合にかかる「配送代行手数料、在庫保管手数料」

以上があります。ここでは出品プランや配送方法に合わせて手数料について説明していきます。

Amazon(FBA)手数料の計算方法は?

Amazon(FBA)手数料の計算方法は?

Amazonでは商品の購入以外に「Amazonマーケットプレイス」と言われる販売プラットフォームを使って、個人・法人に限らず、商品を販売することができます。

商品を販売する際には、出品プラン、商品カテゴリーによって様々な手数料が発生します。大きく3つの手数料が発生しますので、販売前にはしっかりと利益計算をしておく必要があります。

Amazonを販売プラットフォームに利用することで様々なサービスが受けられる反面、他のECモールに比べやや高い手数料ですので、利益計算をせずに販売し、結果的には赤字になる可能性もあります。

Amazon販売の利益は販売価格から各手数料を引くことで計算できますが、「出品プランごとに発生する費用」「販売手数料」の二つと、FBAを利用する際は「配送代行手数料」「在庫保管手数料」これら全てを足したものがAmazonの手数料として販売代金より引かれます。

出品プランごとに発生する費用

小口出品もしくは大口出品で出品することができます。小口出品の場合は1注文につき100円の基本制約料。大口出品の場合は月額固定の4,900円かかりますので月間販売数で割った金額が1注文あたりにかかる費用になります。

販売手数料

販売価格にカテゴリーごとのパーセンテージを掛けたものが手数料になります。

配送代行手数料、在庫保管手数料

FBA(フルフィルメント by Amazon)を利用する場合にかかる手数料。配送代行手数料は配送にかかる手数料。在庫管理手数料はフルフィルメントセンターでの保管費用です。

以下ではそれぞれの項目について詳しく解説します。

Amazonの出品プラン

Amazonの出品プラン

Amazonには2つの出品プランがありますので、ご自身の販売規模に合わせて選んでください。

プランの変更も可能ですので小口出品から始めて販売規模が大きくなってから大口出品に切り替えるなどの変更もできます。

大口出品では、特定商取引法により販売業者名、出品者、電話番号、住所、運営責任者名、店舗名、許認可情報を記載する必要があります。
(アマゾン公式ヘルプ:大口出品と小口出品の違い

  小口出品 大口出品
費用 1注文につき100円 月額4,900円
一括出品ツールの利用 ×
注文管理レポートの利用 ×
独自の配送料金と
指定配達の設定
×
購入者が利用可能な
決済手段
クレジットカード
Amazonギフト券
Amazonショッピングカード
請求書払い
携帯決済
クレジットカード
Amazonギフト券
コンビニ決済
代金引換
Edy払い
Amazonショッピングカード
請求書払い
携帯決済

小口出品プラン

1注文ごとに100円の基本成約料が発生する。販売の際は基本成約料と商品価格に対してカテゴリーごとにパーセンテージの異なる販売手数料がかかる。メディア商品(本、ミュージック、ビデオ・DVD)には別途カテゴリー成約料がかかる。

購入者の決済方法として、「コンビニ決済」「代金引換」「Edy払い」が利用できない。
Amazonに既に登録済みの商品にしか出品できない
商品出品の際は1商品ごとに登録が必要
(アマゾン公式ヘルプ:アマゾン出品サービスの料金プラン

大口出品プラン

月額登録料4,900円が固定費として発生する。販売の際は商品価格に対してカテゴリーごとにパーセンテージの異なる販売手数料がかかる。メディア商品(本、ミュージック、ビデオ・DVD)には別途カテゴリー成約料がかかる。

購入者の決済方法として、「コンビニ決済」「代金引換」「Edy払い」が利用できる。
新規商品の登録・出品ができる
大量の商品も一括で出品可能
(アマゾン公式ヘルプ:アマゾン出品サービスの料金プラン

小規模ならば小口出品、規模拡大を目指すなら大口出品

月間50点以上の販売数がある場合は、「大口出品」の方が固定費が安くなる。

決済手段として人気のある「コンビニ決済」「代金引換」は大口出品でないと利用できない。※コンビニ決済の場合は支払いまでの期間が長くなるので注意が必要。キャンセルの場合支払期限6日間が過ぎるまで注文が保留される場合もある。

Amazonの出品者向けサービスで、大口出品でしか利用できないものがある。セラーセントラルのビジネスレポートは大口出品でしか閲覧することができません。ビジネスレポートでは商品ごとのページビューやカート獲得率などの詳細な情報を見ることができるため、使い方次第では強力なツールとなります。

また、AmazonマーケットプレイスWebサービス(Amazon MWS)は大口出品のアカウントでしか利用できません。Amazon MWSを使うことで外部の便利ツールなどで作業の効率化、自動化をすることができます。

Amazonの販売手数料

Amazonの販売手数料

販売代金の総額(配送料、またはギフト包装料を含む)にカテゴリーごとに決められた率をかけたものになります。

FBA手数料は内税ですが、販売手数料には消費税が加算されますので利益計算の際に注意が必要です。

Amazonで商品を販売する際には様々な手数料が発生します。自己発送・FBAどちらでも商品を販売した際には必ず発生するのが販売手数料です。
(アマゾン公式ヘルプ:Amazonの販売手数料

Amazonの販売手数料
商品カテゴリー 販売手数料率 最低販売手数料率
Kindleアクセサリ 45% なし

CD・レコード
ビデオ・DVD
TVゲーム(※1)
PCソフト
15% なし
文具・オフィス用品(※2)
ホーム(※3)
DIY・工具
産業・研究開発用品
服&ファッション
シューズ&バッグ
ホームアプライアンス
その他のカテゴリー
15% 30円
ペット用品
ベビー&マタニティー
売上合計が1,500円以下の場合は商品代金の8%
売上合計が1,500円を超える場合は商品代金の15%
30円
腕時計
ジュエリー
売上合計が10,000円以下の部分には商品代金の15%
売上合計が10,000円を超える部分には商品代金の5%
30円
家具 売上合計が20,000円以下の部分には商品代金の15%
売上合計が20,000円を超える部分には商品代金の10%
30円
付属品(エレクトロニクス、カメラ、パソコン)(※4)
スポーツ&アウトドア
カー&バイク用品
おもちゃ&ホビー
10% 30円
食品&飲料(※6) 売上合計が1,500円以下の場合は商品代金の8%
売上合計が1,500円を超える場合は商品代金の10%
なし
ドラッグストア
ビューティー(※5)
売上合計が1,500円以下の場合は商品代金の8%
売上合計が1,500円を超える場合は商品代金の10%
30円
エレクトロニクス(AV機器&携帯電話)
カメラ
パソコン・周辺機器
楽器
大型家電
8% 30円

(※1)TVゲームのサブカテゴリーのゲーム機本体に対する販売手数料は8%になります。
(※2)文房具・オフィス商品のサブカテゴリーの電子辞書ならびに関連アクセサリー商品に対する販売手数料は8%になります。
(※3)ホーム・キッチン商品のサブカテゴリーの浄水器・整水器および生活家電に対する販売手数料は10%になります。
(※4)最低販売手数料は¥50。
(※5)一部ブランドでは販売手数料20%がかかります。
(※6)食品・飲料のサブカテゴリーのビール・発泡酒に対する販売手数料は6.5%になります。

最低販売手数料

一部のカテゴリーを除き最低販売手数料30円がかかるようになりました。
販売手数料と最低販売手数料のどちらか高いほうが販売手数料としてかかります。

販売手数料割引プロモーション

2019年9月1日〜2021年2月28日の間、一部のカテゴリーで売上合計金額に応じて販売手数料の割引プロモーションが開始されました。
事前に登録申請等は必要なく自動的に適応されるプロモーションで、詳細は以下の記事で解説しています。

カテゴリー成約料

メディア商品(本、ミュージック、ビデオ・DVD)は、販売手数料にカテゴリー成約料を足したものが手数料として発生します。カテゴリー成約料は小額ではありますがメディア商品が比較的安価な商品が多いため、バカにできない手数料でもあります。

商品カテゴリー カテゴリー成約料
書籍 ¥80
ミュージック ¥140
DVD ¥140
ビデオ ¥140

配送料と配送条件

FBAを利用した配送方法以外に出品者出荷により商品を配送する場合には、FBAを利用した場合の配送料(FBA手数料「配送代行手数料、在庫保管手数料」)が販売価格に含まれるのに対し、出品者出荷では販売価格とは別に配送料をいただく形になります。また、まとめ買いなどで複数注文を受けた場合、出品者出荷の場合には商品個別に配送料がかかるため、まとめて配送した場合に送料を節約し利益額が増えることになります。

出品者出荷の配送料(国内)

商品カテゴリー 配送料
¥257
CD・レコード ¥350
ビデオ ¥391
DVD ¥350
TVゲーム ¥350
おもちゃ&ホビー ¥514
ベビー&マタニティ ¥514
その他のカテゴリー ¥463 + ¥52/kg

国外への配送料

商品カテゴリー 地域1 地域2 地域3
¥823 ¥1,234 ¥1,440
CD・レコード ¥617 ¥823 ¥926
ビデオ ¥823 ¥1,234 ¥1,440
DVD ¥617 ¥823 ¥926

地域1:アジア/グアム/マーシャル諸島/ミッドウェイ/その他
地域2:北米/オセアニア/中近東/ヨーロッパ
地域2:アフリカ/南米

FBA(フルフィルメント by Amazon)の手数料

Amazonではマーケットプレイスでの販売者向けに商品の保管・管理・配送を代行するサービスFBA(フルフィルメント by Amazon)があります。FBAを利用することでAmazonの持つ集客力と、配送能力を自社のサービスに加えることができます。FBAを利用するにあたって「配送代行手数料」と「在庫保管手数料」の2つが必ず発生します。そのほかにも様々な手数料がありますので以下はその説明になります。

2019年2月FBA手数料が改定されました。「配送代行手数料」はサイズの区分が以前よりも細かくなり、サイズごとに手数料が加算されます。「在庫保管手数料」は小型・標準サイズの商品と大型商品で在庫保管手数料が異なるようになり、1〜9月の小型・標準サイズ商品は在庫保管手数料が35%、大型商品の在庫保管手数料は45%引き下げになりました。10〜12月では大型商品の在庫保管手数料が15%引き下げになりました。「長期在庫保管手数料」は年2回の在庫チェック時に保管期間が超過している場合に手数料が発生していたものが、毎月15日のチェック時に365日以上保管されている商品が対象になりました。

2021年6月16日にFBAの手数料が値上げになりました。
以下の記事にてまとめていますので併せてどうぞ。

オススメ記事【2021年】Amazon FBA手数料値上げのお知らせ

商品区分

FBAの配送手数料は商品のパッケージサイズと重量を基準に決定されます。またメール便サイズの小型商品はプログラムに参加することで、安価に発送することが可能です。

商品区分 サイズ、重量
小型 25cm×18cm×2.0cm以下(三辺の合計45cm以下)
250g以下
標準 45cm×35cm×20cm以下(三辺の合計100cm以下)
9kg以下
大型 200cm以下
40kg以下
特大型 260cm以下
50kg以下
小型・軽量・低単価の商品 ①25.0cm×18.0cm×2.0cmかつ250g以下
②35.0cm×30.0cm×3.3cmかつ1kg以下

※商品のサイズは3辺全てが長い順から短い順に並べた際、条件内に収まっている必要があります。
※3辺の合計が200cmを超えるもの(170cm以上の場合は1辺90cmを超えるもの)、あるいは重量が40kgを超えるものはFBAを利用することができません。

配送代行手数料

フルフィルメント by Amazon(FBA)を利用すると、出品プランごとの費用と、販売手数料の他に「配送代行手数料」と「在庫保管手数料」が必要になります。

FBAを利用することで、Amazon上での購買力を高めるプライムマークがつくことと、個人で配送をするよりも安価で、早く購入者に商品を届けることができます。

配送代行手数料は商品区分や個数あたりに発生する手数料です。全国一律の価格。

小型サイズ・標準サイズ

小型 標準
25×18×2.0cm以下 33×24×2.8cm以下 60cm以下 80cm以下 100cm以下
250g以下 1kg以下 2kg以下 5kg以下 9kg以下
290円 381円 434円 514円 603円

大型サイズ

大型
1 2 3 4 5 6 7 8
60cm以下2kg以下 80cm以下5kg以下 100cm以下10kg以下 120cm以下15kg以下 140cm以下20kg以下 160cm以下25kg以下 180cm以下30kg以下 200cm以下40kg以下
589円 712円 815円 975円 1,020円 1,100円 1,532円 1,756円

特大型

特大型
1234
200cm以下220cm以下240cm以下260cm以下
50kg以下
2,755円3,573円4,496円5,625円

小型で低単価の商品

「FBA小型・軽量商品プログラム」を適応した際に個数あたりに発生する手数料(利用には申請が必要)。
(アマゾン公式ヘルプ:FBA小型・軽量商品プログラム

以下にFBA小型・軽量商品プログラムついてまとめた記事がありますので併せてどうぞ

オススメ記事FBA小型・軽量商品プログラムのメリットと利益計算方法

サイズ 25.0cm×18.0cm×2.0cm 35.0cm×30.0cm×3.3cm
重量 250g以下 1kg以下
販売価格 1,000円以下
FBA手数料 193円 205円

在庫保管手数料

在庫保管手数料

商品区分と在庫期間からなる月額基準額と商品パッケージのサイズ(体積)と保管日数により手数料が決まります。FBAに商品を保管した日から、購入者に向けて出荷した日までの期間が対象となります。

FBA在庫保管手数料シュミレーター

リンク先ではASINもしくは商品サイズを元に1月または、1日ごとの在庫保管手数料と長期在庫保管手数料を計算できます。

長期在庫保管手数料の計算式
期間 小型・標準・大型・特大(月額基準額)
1〜9月 5.160円(小型・標準) 4.370円(大型・特大)
10〜12月 9.170円(小型・標準) 7.760円(大型・特大)

在庫保管手数料とは別に、FBAに長期間保管された商品に対して発生する在庫保管手数料。

発生頻度 在庫チェック実施日 対象商品 長期在庫保管手数料
新料金、毎月 毎月15日 365日以上保管されている商品 17.773円

その他のFBA手数料

FBA在庫の返送・所有権の放棄手数料

一度FBAに保管した商品を返送または破棄する場合の手数料。返品されて販売不可在庫となったもの、長期間販売されずに不良在庫となったものを返送する場合などに発生する費用。

  小型・標準サイズ(1個につき) 大型サイズ(1個につき)
返送 ¥51 ¥103
所有権の放棄 ¥10 ¥21

納品不備受領作業手数料

納品の際に指定された梱包等がなされていない場合に発生する費用。化粧箱などに入っておらず商品がむき出しの状態のパッケージ品には梱包を指定される場合があります。

納品時に不備がある場合には、フルフィルメントセンターに着荷した際に、Amazonの裁量にて作業を進める場合があり、その作業分の納品不備受領手数料が発生します。

問題の種類 納品不備受領作業 初回 2回目以降
ラベルの貼付不備や間違い ラベルの貼付 ¥50 ¥80
ビニール袋梱包の必要 ビニール袋で梱包する ¥90 ¥100
エアキャップ梱包の必要 エアキャップで梱包する ¥90 ¥120
テープでの梱包の必要 テープで梱包する ¥50 ¥80

まとめ

Amazonで商品を販売するといくつもの手数料を支払う必要があります。

出品のための手数料、販売手数料、配送代行手数料などは楽天やYahoo!ショッピングの手数料と比較しても高めの設定になっていますが、Amazonの集客力・サービスがあるからこそ納得できる金額です

Amazonで商品を販売するにはこれらの手数料についてしっかりと把握しておく必要があります。

確定申告の際には手数料の多さが会計の手間を増やしてしまう要因になりますが、販売に関わる手数料は外税、FBAに関わる手数料は内税になるなど、見落としそうな部分もあります。

しっかりと把握しておきましょう。