個人事業主や副業の方はお金を稼ぐ以外に必ずしなければいけなものに会計処理があります。
確定申告に向けて会計処理をしなければいけないのはわかるけれど、事業を始めたばかりでお金もないしできれば無料で始めたい。
会計ソフトを使いたいけれど、できるだけ安く便利な機能はたくさん欲しいわがままな方向けに書いていきます。
結論、無料で利用できる会計ソフトはあります。
- Freee
- マネーフォワードクラウド確定申告
- やよいの青色申告オンライン
- やよいの白色申告オンライン
- フリーウェイ経理Lite
上記は全て無料から利用可能な会計ソフトです。
利用料だけでなく、機能面も含めてランキング形式でまとめてみました。
無料で利用できる個人事業主向け会計ソフトランキング

無料で利用できる会計ソフトを価格・機能面からランキング形式にまとめました。
比較したポイント
- 維持費用
- 分析レポート機能
- 作業自動化機能
- ユーザーサポート
- 消費税申告機能
- 利用可能な端末
ランキングは獲得順位の総数順になっています。
各項目ごとの順位だけでなく価格・機能面でトータル数値の大きいもので順位づけしています。
無料で利用するなら「やよいの白色申告オンライン」が1位

1位:ポイント総数でやよいの白色申告オンラインがトップ
1位は価格機能面を総合するとやよいの白色申告 オンラインがもっとも総合評価の高い会計ソフトになりました。
完全無料で利用できる点と、無料でも豊富な機能が利用できるため、おすすめできる会計ソフトになります。
2位:マネーフォワードクラウド確定申告
2位はマネーフォワードクラウド確定申告。豊富な機能と高すぎない価格設定のため全体的に高い数値になりました。
3位:freee
3位はfreee。人気No1の会計ソフトですが、価格の安さを基準にするとこの位置になりました。
機能面では申し分ないのですが、ネックになるのは月額の維持費になります。
4位:やよいの青色申告オンライン
4位はやよいの青色申告オンライン。1位のやよいの白色申告オンラインの青色申告版になります。価格面・機能面を考慮するとこの位置になりました。
5位:フリーウェイ経理Lite
5位はフリーウェイ経理Lite。完全無料で利用可能な会計ソフトですが、機能面での制約が多くこの位置になりました。
1位:やよいの白色申告オンライン
安さを基準に選ぶと総合的にやよいの白色申告オンラインが1位。
「やよいの白色申告 オンライン」は弥生会計でおなじみの弥生シリーズが国内シェアで高い実績があります。弥生シリーズはインストール型の会計ソフトですが、やよいの白色申告はクラウド型の会計ソフトです。クラウド型会計ソフトと呼ばれる会計ソフトで、Webブラウザを通して自分の会計データにアクセスするWebサービスです。
「白色申告」「青色申告」2種類ある確定申告のうち、白色申告で確定申告される方限定で無料で利用できるサービスです。
完全無料から利用可能でき、有料プランでは利用方法や会計のサポートが受けられます。ネットで検索すれば情報は手に入るので、自力で問題解決ができれば問題なく利用できます。
やよいの白色申告オンラインのポイント
- 完全無料で利用できる
- 無料でも利用できる機能が充実している
- ユーザーサポートなし
- 白色申告にしか対応していない
ポイント | |
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維持費用 | 無料で利用可能 |
分析レポート機能 | 取引レポート 損益レポート 科目別消費税額の確認 |
作業自動化機能 | 銀行明細・クレジットカードなどの取引データの自動取込 レシートや領収書のスキャン画像から自動仕訳 |
ユーザーサポート | なし |
消費税申告機能 | 消費税申告書の自動作成 |
利用可能な端末 | Win/Mac/SP(レシートや領収書のスキャン) |
ずっと無料で利用可能
2位:マネーフォワードクラウド確定申告

価格・機能面のトータルバランスでマネーフォワードクラウド確定申告が2位。
マネーフォワードクラウド確定申告はAIを利用した自動化が特徴です。
一度仕訳した内容を記録し、次回以降の仕訳を自動化することができます。毎月利用するサービスや、複数回利用するものを使えば使うだけ効率的に仕訳できます。
他社サービスからのデータ移行にも対応しているので乗り換えも簡単に行えます。
「パーソナルプラン」の1ヶ月無料トライアルがあります。
マネーフォワードクラウド確定申告のポイント
- AIを利用し仕訳を自動化できる
- 連携サービスでさらに効率化
- レポート機能はパーソナルプランから
- 消費税申告非対応
ポイント | |
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維持費用 | 「パーソナルミニ」 月額プラン980円/月 年額プラン9,600円/年(800円/月) 「パーソナル」 月額プラン1,280円/月 年額プラン11,760円/年(980円/月) |
分析レポート機能 | キャッシュフローレポート 収益レポート 費用レポート 得意先レポート 仕入先レポート |
作業自動化機能 | 銀行明細、クレジットカード、POSレジ、通販サービスなどの取引データの自動取込 レシートや領収書のスキャン画像から自動仕訳 |
ユーザーサポート | メール、チャット |
消費税申告機能 | 消費税集計機能のみ(パーソナルプラン〜) |
利用可能な端末 | Win/Mac/SP |
1ヵ月間の無料期間あり
3位:freee

多機能で効率化に特化したfreeeが3位。
freeeはフリーランスに人気の会計ソフトです。
シンプルな操作性で、開業届の作成から確定申告の申告までサポートしています。
初心者でもカンタンに利用できるのが特徴で、細かい仕訳が出来ないデメリットもありますが、会計がわからなくても確定申告を済ませることができます。
スマホで確定申告書を作成できる唯一の会計ソフトで、専用アプリを使って質問に答えていくだけで確定申告書を作成することができます。
freeeでは最大30日間無料でお試し利用ができます。
freeeのポイント
- 開業届から確定申告書まで作成できる
- スマホで確定申告書が作成できる
- 利用料がもっとも高い
ポイント | |
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維持費用 | 「スターター」 月額プラン1,180円/月 「スタンダード」 月額プラン2,380円/月 |
分析レポート機能 | 収入レポート 支出レポート 資金繰りレポート |
作業自動化機能 | 銀行明細、クレジットカード、POSレジ、通販サービスなどの取引データの自動取込 レシートや領収書のスキャン画像から自動仕訳 |
ユーザーサポート | メール、チャット |
消費税申告機能 | 消費税申告書の自動作成 |
利用可能な端末 | Win/Mac/SP(確定申告書作成) |
1ヵ月無料お試し期間あり
4位:やよいの青色申告オンライン

青色申告ができるやよいの会計ソフト、やよいの青色申告 オンラインが4位。
機能面ではやよいの白色申告オンラインと同じで、青色申告ができるところが違います。
青色申告に対応するため、複式簿記で帳簿は管理されていて、取得した取引データから自動で帳簿作成ができます。
やよいの青色申告オンラインには1年間の無料お試し期間があるのも特徴です。
やよいの青色申告オンラインのポイント
- 1年間の無料利用期間
- 最安のプランでも機能は豊富
- ユーザーサポートなし
- 利用できるのは年額プランのみ
ポイント | |
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維持費用 | 「セルフ」8,000円/年 「ベーシック」12,000円/年 「トータル」20,000円/年 |
分析レポート機能 | 取引レポート 損益レポート 科目別消費税額の確認 |
作業自動化機能 | 銀行明細、クレジットカードなどの取引データの自動取込 レシートや領収書のスキャン画像から自動仕訳 |
ユーザーサポート | なし |
消費税申告機能 | 消費税申告書の自動作成 |
利用可能な端末 | Win/Mac/SP(レシートや領収書のスキャン) |
1年間無料利用期間あり
5位:フリーウェイ経理Lite

完全無料で利用できるフリーウェイ経理Liteが5位。
上位の会計ソフトがクラウド型の会計ソフトなのに対し、フリーウェイ経理Liteはインストール型の会計ソフトです。
利用できる端末がWindowsのみに限られるので、他の会計ソフトのように出先で仕訳入力したり、別のPCでソフトを開いたりすることができません。
自動仕訳には企業版の有料プランから利用でき、無料プランでは手入力での仕訳にのみ対応しています。
フリーウェイ経理Liteは月額の維持費がかからず完全無料で利用することができます。
フリーウェイ経理Liteのポイント
- 完全無料で利用可能
- 無料でも会計に必要な機能は網羅できる
- インストール型なので利用端末が限られる
- 自動化処理は出来ない
ポイント | |
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維持費用 | 完全無料 |
分析レポート機能 | 損益分岐図表 |
作業自動化機能 | なし |
ユーザーサポート | なし※有料版のみ |
消費税申告機能 | 消費税集計のみ |
利用可能な端末 | Win |
会計ソフトの無料で利用できる期間

完全無料とまではいかなくても、一定期間無料で使える会計ソフトもあります。
1年間無料で使える「やよいの青色申告オンライン」
「やよいの青色申告 オンライン」なら1年間無料でお試し利用ができます。
1年目の利用料が無料で、継続利用した場合には費用が発生するキャンペーンをしています。
2年目からは年額8,000円でもちろんキャンセル可能です。月額にして約666円なので有料になっても良心的な金額です。
1年間無料ならば、青色申告での確定申告を考えるなら最初から「やよいの青色申告オンライン」を選択するのもありでしょう。
1ヶ月なら無料で使える会計ソフト
定番の会計ソフトも一定期間無料で利用できる期間があります。
- 会計ソフトfreee
:クラウド会計ソフト1位
- マネーフォワードクラウド確定申告
:クラウド会計ソフト2位
クラウド会計ソフトとしてシェアトップの2つですが、1ヶ月間の無料利用期間があります。
どちらも会計ソフトとして必要な機能は備えていて、専用のスマホアプリもあります。青色申告用の書類作成もできる点もポイントです。
完全無料で使い倒せる会計ソフト
とにかく無料で利用したい場合は以下の2つになります。
- やよいの白色申告オンライン
- フリーウェイ経理Lite
やよいの白色申告オンラインは白色申告限定、フリーウェイ経理Liteはインストール型でWindows利用者限定でなら完全無料で利用できます。
無料で使い倒すなら「やよいの白色申告オンライン」

無料で使い倒すなら「やよいの白色申告 オンライン」が使い勝手がいいでしょう。
白色申告にしか対応していませんが、クラウド会計ソフトの利点の一つである自動仕訳にも対応しているのはありがたいポイントです。
副業などでは会計業務に時間を取られたくはないものです。どんなに多機能でも、自動での入力ができないソフトなどは使いづらいと思います。
将来的には青色申告したほうがいい
初心者なら白色申告でもいいですが、次からは必ず青色申告で確定申告をしましょう。
なぜなら青色申告には最大65万円の控除があります。
この控除を受けられることを前提に考えれば有料の会計ソフトを導入したほうがお得になります。
どの会計ソフトも年額にして約1万円程度の金額で利用できます。その金額を支払って65万円分の控除が受けられるなら、白色申告をする意味はないと言えます。
青色申告には他にも白色申告にはない優遇ポイントがいくつもあるので、最初は白色で2回目以降は青色申告で確定申告をしましょう。
青色申告する「マネーフォワードクラウド確定申告」がいい

白色申告をするならやよいの白色申告オンラインでも問題ないのですが、青色申告をするなら「マネーフォワードクラウド確定申告」がオススメ。
月額1,000円程度なので年額でも12,000円ほどの費用で利用できます。
利用料も青色申告の控除を受ければ実質タダ同然になります。それも青色申告には最大65万円の青色申告特別控除があるからです。
1年間で1万円弱の費用をかけても、数万円分の所得税を小さくできるなら問題ありません。
会計ソフトの使用料にお金を使ってでも、楽をして青色申告ができるマネーフォワードクラウド確定申告を使う方が断然いい。
65万円の特別控除を受ければ実質無料
青色申告にだけは最大65万円の「青色申告特別控除」があります。
これは青色申告で確定申告をするだけで、所得を65万円分少なく申告できることになります。
控除が受けられるなら月1,000円程度の会計ソフトの費用負担もタダになったも同然と言えます。
青色申告は提出する確定申告書類の準備が面倒な分、所得金額を抑えることができるので結果的に納税額を少なくすることになるのですが、日々のお金の管理ができていないと集計もできないので事前の準備が大変です。
白色申告にはこの控除がない分、提出しなければいけない書類が簡易なものでもOKになっています。
有料会計ソフトを使えば「マネーフォワードクラウド確定申告」でも「freee」でも「やよいの青色申告オンライン」でも、どれでも簡単に確定申告書類が自動で作成できます。
白色申告は簡易簿記で帳簿管理をするけれど、青色申告の場合には複式簿記での記帳が必要(青色申告でも簡易簿記で申告すると10万円の控除は受けられる)。
有料ツールなら最初から複式簿記で記帳していくのでその点も安心です。
Macでも使えるのはクラウド型会計ソフトの特徴
クラウド型の会計ソフトはOSを選ばないので、Macユーザーでも利用できます。
Macユーザーの場合には使いたいビジネス系のソフトがあっても、Mac対応していないケースがよくあります。
会計ソフトの場合もそうで、Macで利用しようと思うと選択肢はぐっと少なくなります。
インターネットを使ってブラウザ経由で閲覧するクラウド型の会計ソフトなら、「Macだと使えないかも…」と悩む必要もないので安心です。
有料ツールの方が日々の管理が楽
有料ツールの方が機能的に優れているので日々の作業量が少なくて済みます。
無料ツールで頑張って青色申告することはできますが、一度有料のツールを使ってしまうとその利便性には敵いません。
有料ツールといっても毎月数万円必要なものではなく、負担額よりも利便性の方がはるかに大きくなります。
利益が出ていなかったり、売上が少ない場合には無料の会計ソフトを使うのは十分ありでしょう。
売上が上がってきて、青色申告特別控除を受けた方が良いとなれば有料ツールに切り替えればいいと思います。会計ソフトの移行アシスト機能も充実しているので、後からでも問題なく変更できます。