海外から商品を輸入する際に支払った消費税の一部は確定申告の際に取り戻せます。
輸入商品は税関で関税・消費税を納めますが、ここで支払う消費税(地方消費税を除く)は確定申告時に控除できます。
本記事の内容
- 消費税を取り戻せる仕入税額控除とは
- 輸入時に納める税金
- 確定申告の際の注意点
本記事では仕入税額控除について解説していきます。
輸入時に納める税金の種類や消費税の確定申告の際に注意するポイントについても書いていくので、輸入商品を扱っている方は知っておきたい内容になっています。
輸入商品を扱う方は知っていて損のない知識ですので「仕入税額控除」の単語だけでも覚えておいて確定申告の際に思い出してください。
目次
海外輸入による仕入れの消費税は仕入税額控除で取り戻せます

海外商品の輸入時に税関で支払う関税・消費税ですが、関税費用にばかり注目して消費税の扱いがおろそかになっていませんか?
税関で納める消費税は消費税の確定申告の際、控除という形で全額取り戻せます。
税関で納める税負担の多くは消費税です。
一度の納税額は少なくても1年間分を合計するとなかなか馬鹿にできない金額ですので一度見直してみる価値は十分にあります。
仕入税額控除とは何か?

輸入品に関する仕入税額控除は商品を国内に輸入する際に関税で納める消費税で、納税済の税になります。
納税済ですから消費税の確定申告時に支払う必要がないので、申告の際に納税額から控除して申告します。
輸入商材を扱っているなら、小規模・大規模にかかわらず消費税の納税額を抑える上で大きな効果があります。
消費税確定申告時に控除申請する消費税
控除を受けるには前提条件として一般用消費税の申告を選択している必要があります。
簡易課税用では仕入税額控除の記入箇所がないため、取り戻す事ができません。
消費税の確定申告の際、「課税貨物に係る消費税額」に納税済みの消費税を記入することで納税額を抑える事ができます。
商品輸入時に消費税をすでに納めています
納税済みの消費税と「課税仕入れに係る支払い対価の額(税込み)」を混同してしまいそうですが、こちらに入れて計算すると間違いです。
計算を進めていけば分かりますが、最終的に出る仕入れの税額が大きく変わってしまいます。
「課税貨物に係る消費税額」部分に輸入時に納めた消費税の合計額を入れるのを忘れないようにしてください。
輸入時に税関で納める税金は?

輸入時に納める税金は3つあります。
- 関税
- 消費税
- 地方消費税
確定申告の際に記入するのは消費税(国税)分で地方消費税は含まれませんので注意してくだい。
また、輸入時の消費税の計算方法が少し特殊で商品代金以外にも関税費用などを足したものに対して消費税額を計算します。
輸入時に納める関税・消費税
輸入時に納めるのは関税、消費税(国税)、地方消費税等です。
国税分が7.8%、地方消費税が2.2%で合計すると10%になります。
商品を仕入れた国によって税率が異なりますが、仕入れの際にも現地の消費税を支払い、税関でも消費税を支払う。
この段階では2回消費税を納めていることになります。
消費税の計算方法
税関で納税する税金の内訳は「輸入許可通知書」に関税・消費税の税額が記入されています。
そちらで確認するのが確実ですが、念のために消費税(国税)の計算方法について解説します。
消費税の計算には事前に関税額を確定しておく必要があります。
(商品代金+運送費+保険料+関税費用)×消費税額7.8%
上記の計算式で消費税額が計算できます。
注意点として輸送費には国際送料のほか仕入れ元の国内で発生した送料も含まれますので気をつけなければいけません。
消費税の確定申告時の注意点

輸入商品を扱うならば輸入時に納めた消費税分の控除は必ずすべきです。
申告すれば支払い済みの消費税分が減税され帰ってくると考えれば大きな節税効果があります。
一度の支払いは大したことはないかも知れませんが、1年間分を積み上げれば無視できないくらいの金額になります。
簡易申告ではダメ、一般申告でないと控除できない
輸入商品を扱っているなら消費税の確定申告には必ず一般申告を選択しましょう。
税関で納めた消費税を控除に回すには一般用で確定申告を行う必要があります。
簡易では控除用の項目そのものがないので、納税済みであっても消費税を再度納めなければいけません。
確定申告書の作成は、所得税の確定申告の際に作成した収支内訳書をもとにすれば簡単に作成できます。
そもそもなぜ二重に消費税を納めるかと言えば、国内仕入れと海外仕入れで消費税負担のバランスを無くすため。
消費税の国税分を申告します
消費税の確定申告書になる「課税貨物に係る消費税額」には消費税(国税)分を、記入し申告します。
地方消費税と合わせて10%分を記入しないよう注意しましょう。
地方消費税分は、書類にある順番で計算を進めていけば自然と算出できます。
申告後に誤り気付いたら訂正しましょう
申告済みの消費税も間違っていることに気づいたら修正申告することが可能です。
間違いは誰にでもありますので、税務署で知識不足で計算を誤りましたと説明すれば案外丁寧に説明してくれるものです。
過去に納税済みの消費税も修正申告すれば取り戻す事ができます。
まとめ
仕入税額控除は輸入を行なっている人でも見落としている方も多いです。
税関で納める税金のほとんどが消費税で、それが後々控除として取り戻せるとしたら、誰もが一度見直す価値のある金額になるはずです。
まだ無駄に消費税を払い続けている場合は過去の納税済みの消費税も含め見直してみてはいかがでしょうか?